ズズ…と、徐々に徐々に沈み来るベールヴァルドの熱と塊。 それは内壁の抵抗を押し分け、奥へ、奥へと目指して…。 「はっ、ん…、ふぅ…っ」 きつく目を瞑り、浅く早い息を繰り返すティノに、ベールヴァルドは少し侵攻を止めて、 「痛ぐね?」 そう尋ねた。 十分に慣らしたつもりだが、それでも初めての事だけに、分からない事は多いから。 自分がティノに与えるのは、快楽だけであるといい…そんな事を思う。 「ん…っ」 尋ねられた言葉にティノが薄く目を開ければ、こんな時だと言うのに、心配そうなベールヴァルドの瞳…。 その優しさにきゅんっとすれば、内にも感じる熱いときめき。
あ…、何…? 何か……ちょっと…楽に…ってゆーか…ムズムズするってゆーか……。
「だい、じょ…ぶ…です…」 「そ?」 「ぁ、あ…っ」 熱と色とを戻す吐息。 「あど少しだから」 「ん…っ、ぅ…」 ズ…と、またベールヴァルドが入り込んでくる。 そして、ズズ…と感じていた抵抗がふと止まった。 何か…全てがきちんと正しい位置に填り込んだと、そんな風に感じられる不思議な安定感に、ふーっと息を付く。 ソロリと目を開ければ、ベールヴァルドも何処かホッとしたような顔で…。 「…何か…、お腹いっぱい…みたいな……」 素直な感想を述べれば、 「そっが」 色気がないと怒ることもなく、ベールヴァルドはコクンと頷いた。 「動いでも…さすけね?」 「う…、多分…」 こんなにいっぱいに、しっかり入り込んで、動く余裕なんてあるのだろうか…と、少し不安になるが、そう思う内にも、ズ…と楔が引き抜かれて…。 ホゥと息を吐けば、次の瞬間、ソレは再び最奥まで押し戻された。 「ひぁあっ!」 「…わり、痛がった?」 ティノの上げた声に、ベールヴァルドがまた動きを止めて尋ねる。 「ち、が…っ」 ティノはブンブンと首を振った。
もう、もう何でも良いから、動くなら動くにしてぇ〜〜っっ!!! 絶対、これ、途中で止められる方が辛いって、きっと、多分!!!
うう…と呻きながらも、心からそう思う。 奥の方がちょっと痛い気がするのだが、痛みを感じると同時に、何やらザワザワするような、ウズウズするような…収束のない、何かがそこから広がり始めている気がするから…。 「平気、です、から…、…シて!」 「…っ!」 荒く息を付きながら強く言えば、ベールヴァルドがゴクリと喉を鳴らした。 身の内で、ベールヴァルドの質量が増した気さえする。
あ……、ぼ、僕ったら、何てことを……!!!
ハッとして、言ったことを訂正…と思うが、そんな事は既に遅くて…。 「あの、ス……おひゃあぁあああっ!!!!!!」
ちょ、スーさん、顔コワ…! 怖すぎるって!!! ちょ……こ…、殺される………っ!
チラリと見上げたベールヴァルドの鬼気迫る表情に、死すら予感するティノ。 だが、 「…好きだ」 ポツリと落とされたのは、愛の言葉で…。 「あ…!スーさん…!」 ぽわっと心の中が暖かくなる。
「僕も…すき…ってぇ?!あぁああっっ!」
今までの恐る恐るといった動きは何だったのか。 突如激しく動かれて、体中の感覚が一斉に狂い出す。 強制的に目覚めさせられる歓喜。 「や…っ、はぁああっ、う、そ…ぉ…っ」 それは身体の奥底から膨れ上がり、揺さぶられる度、震えを走らせて…。 嵐のような情熱が駆け抜ける。 感じていた筈の痛みは、いつの間にか快感へとすり替わり、それが感覚を支配して…。 「あっ、あっ、ぁあ、あ…んっ」 喉から漏れた甘い喘ぎに、ティノは混乱を覚えた。 何が何やら分からない。 けれど、確かに感じている気持ちよさ。 愛しているとか、愛されているとか、そんな実感はまだ遠くて…、ただ、動物的な感覚のまま、本能のままに求められている事に興奮している。 「は…ぁっ、すー…さぁんっ!あぁあっ!」 ゾクゾクと下肢から膨れ上がり、出口を求めて荒れ狂う欲望。 何でこんな事が気持ちいいのかと…不思議な気さえするのだが、突き上げられる度、内部から溶けて行くような…甘く熱い感覚が体中へ溢れて行くようで…。 「も、僕…っ、ぁああんっ」 「フィン…っ」 名を呼ぶ声は熱くて、甘くて…そんな響きは、今まで一度も聞いたことがなくて…ズクンと胸が切なく痛んだ。
ああ、でも……こんな時でも…怖い顔………。
それが堪らなく愛おしいと思って。 「あ、あ、あぁああああっっ」 押し上げられるまま快楽の高みを越え、ティノが欲望を放てば、 「……フィン…っ」 ベールヴァルドもまた欲望を吐き出して…。 身の内に、ベールヴァルドの熱さと脈動を感じ、それにまたゾクゾクしながら…ティノは幸せだと心から思った。
※続きます
+ + + + +
とゆことで。 おとなしく守られないスーさんでした☆ 後少し、残ってます。
エロ部分はサイトなんで、ちょっと端折ってみたり。。。(^^; 典芬のエロってのは、ストレートさに萌えますね★
あ、そういえば。 文中でスーさんがフィンを呼ぶ時に「ちょっとこせ」と言ってますが、「ちょっとこ」の優しい版だそうです。 福島弁調べてる時に見て、使おう〜vvvvと思ってたのでしたvvv 変な萌え(笑)
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