+ 神父と小悪魔の誘惑 +
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傾向; 典芬
あああと、一際高い声を上げて、ティノが果てるのと共に、ベールヴァルドもまた熱い憤りを吐き出して、白い肢体の上で荒い息を付いた。
ヒクン、ヒクン…と、余韻に震える身体…その柔らかな腹に口付けを落として…。
…やっちまっだなぃ……。
悪魔と一線を越えてしまった実感が、ジワジワと胸に押し寄せる。
後悔はない。
罪悪感もない。
不思議なほどスッキリし、逆に満足すらしている。
ただ、これでティノは悪魔の世界へと戻ってしまうのだろうと思えば、それだけは残念で…。
何とか…自分の元に引き留める方法はないだろうかと……。
もう一度、枷を填めて壁に繋いでしまおうかと思い、ベールヴァルドはチラリと手足の枷に目をやった。
だが、意識を飛ばして、ぐったりとベッドに沈み込んでいるティノを見れば、そんなことは到底出来そうにはない。
本当に…めんげぇなぃ…。
これもティノの悪魔の誘惑の力なのだろうか、と思いながら、それでも構わないとも思う。
どちらにしても、ティノに惹かれているのは事実であり、何よりその力に屈して、もう抱いてしまったのだから…。
「ティノ…」
汗で額に張り付いた前髪を、そっと撫でるようにして退かしてやりながら、薄く開いた唇に口付ける。
「ん…ん…っ」
葡萄色の瞳がうっすらと開き、ぼうっとした様子でベールヴァルドを見つめて…。
それにまた心かき乱されながら…。
「さすけね?」
「っ!」
尋ねれば、ティノは今度こそぱっちりと目を開けて…ボボボッとその顔を真っ赤に染めた。
「だ、大丈夫に決まってますっ!僕はこれでも、悪魔なんですからねっ!ベールさんよりずっとずっと強いんですから!」
「そ?」
何がどう強いのかはよく分からないが、唇を尖らせてそんなことを言うティノがまた何ともかんとも可愛いから、ベールヴァルドはついつい、ぷすと笑ってしまって…。
「ほんではえがった」
「………」
よしよしと頭を撫でてやれば、言葉に詰まった様子で俯く。
胸元に輝くペンダント。
「え…?あ……おひゃあああ〜〜〜〜っっっっ!!!!!」
「なじょした?」
突然、大声を出したティノに目を丸くし、ベールヴァルドは尋ねた。
「こ、コレ!見て下さいよ、これ〜っ!」
ティノはぷうっと頬を膨らませ、不満げにペンダントを示す。
「ん?色、ちゃんと変わったんでねぇの」
ペンダントトップの球体は、夕べ見た紅や紫から、綺麗な薄桃にその色を変えていた。
これでティノは悪魔達の世界へと帰ってしまうのだろう。
そう思えば、がっかりとして。
だが、
「色が違うんですっっ!」
ティノはブンブンと左右に首を振り、そう言った。
「ホントなら青くなる筈なのに…!こんな、薄桃なんて聞いたことないですよっ!」
「確かに…青くは見えねぇなぃ…」
「青さなんか微塵もないじゃないですかっ!こんな綺麗なピンク色なんて…っ!べ、ベールさんが悪いんですよっ!絶対絶対、そうです!」
んー…と呻って首を傾げるベールヴァルドに、ティノはポコポコと怒りをぶちまける。
「んだべか?」
「そうですよ!だって、ベールさんが僕に惑わされてくれないからいけないんですもん!それどころか、逆に僕のこと惑わして…!悪魔を惑わす神父なんて、反則ですっ!」
「……」
半泣きで訴えるティノの言葉が余りにも可愛らしいから、ベールヴァルドは思わずぷすりと小さく笑ってしまった。
だってそう、自分はもう十分に惑わされていると思っていたのだ。
だというのに、ティノは自分の方がベールヴァルドに惑わされていると言っている。
俺にそんな力はねぇんだげっちょ……。
本当、めんげぇなぃ。
「あーーっ!何で笑うんですかぁ〜っ?!?!」
「ん、すまね」
「すまねぇじゃあすみません!」
「ほんだら、どうしで欲しいの?」
子供を宥めるみたいにそう言いながら、ベールヴァルドは詰め寄るティノを、そのまま膝に乗せて緩く抱き締めた。
「言ってみらんしょ」
「僕は、やり直しを要求します!」
「…やり直し…?」
「そうですよ!ベールさんが僕に惑わされて、エッチなことされちゃって、ちゃんとこのペンダントが青くなるまで!」
「……」
ぷっぷくぷーっとむくれて言うティノの言葉は、これ以上ない程嬉しいもので…ベールヴァルドは僅かな間、ポカンとしてしまう。
……ペンダントが青くなるまで…やり直し…って事ぁ……。
「おめ…帰らねぇの?」
「帰れなくしたの誰ですかっ?!」
「んー…、そか」
嬉しくて、ほんわかして…、ベールヴァルドはぎゅううっとティノを抱き締めた。
「ちょっ!何でぎゅうってするんですか!僕怒ってるんですよ?!もう、絶対絶対、ベールさんの側離れませんからねっ!」
「ん、ずっと居てくなんしょ」
「な、何ですかそれーーーっっっ?!?!?!」
ベールさん、悪魔ナメ過ぎです!なんて怒るティノをぎゅっぎゅと抱き締めて…。
かくして、神父ベールヴァルドは小悪魔ティノに取り憑かれ、幸せに幸せに暮らしたのでした★
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てことで〜!何じゃこりゃーー!な感じですが
お掃除中に、何故だか無性に書きたくなって書き殴った『神父様スーさんと小悪魔フィンちゃん』SSです★
エロシーンが端折られてますが。うんうん、まあまあ。
こんなにポンポンと文句を言うフィンってナイと思いますが。
うん、その辺はほら、悪魔だから!(えー)
つか!!!!
神父様スーさんが見たいっっ!!!見たいんだ!!!!見たいんだーーー!!!!!!
うん、神父さんのカッコって、ストイックな感じがステキよねー♪
脱がせたいぜ〜♪背徳萌え〜♪えへへうふふ(幸)
何か、この話もちょっとイロイロ展開するかもです♪
ティカしゃんがのっかってくれるかも♪な感じなので♪♪♪
同僚神父アーサーが書きたいーーvvvvv
あ、ちなみに、デンさんをたぶらかしてるのはノルさんです☆
2010/05/10 nanasekasui...
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