+ 森の中の出会い +
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傾向; 典芬
海渡る風の歌 番外編
『 森の中の出会い 』
初めは好奇心だった。
いつ頃からか、何人も立ち入ってはならないと定められた北の森…。
魔女が住んでいるという森に、一体何が隠されているのかと…。
そう…、何が居るかと考えると、それだけで何故だか心がざわめいた。
ときめく…と言っても良いかもしれない。
それはきっと予感…。
自分にとって大切な出会いが、そこで待っていると…、きっと運命が囁いているのだろう。
ずっと、船の上から遠巻きに眺めていたその森…。
通る度、何やら焦るような衝動を感じて…。
行かなければならないと、見つけなければならないと…。
それはいつしか胸を焦がすような、そんな感覚にまでなって…。
早く早くと、強く駆り立てるから…。
だからその日、スウェーデンはついに降り立ったのだ。
何人たりとも立ち入ってはならない『北の森』に………。
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