+ スーさんのオトメ☆ +
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傾向; 典芬
「スレイブ?!」
スレイブとは、巨大怪獣型の遠隔操作兵器だ。
生物のようなロボットのようなそれは、失われた先時代の科学文明を信奉する組織のメンバーが操る物だが…。
「…なして…庭に…?」
しかも東…と、訝しげに呟くベールヴァルド。
国王であるベールヴァルドの命を狙って…というのなら、今居るこの場所から最も近いのは、東ではなく南の庭園だ。
「スーさん!僕、行きます!」
表情を険しくして、記憶を探っているベールヴァルドに、ティノがそう宣言する。
「フィン…」
「スーさんは避難して下さい!さあ、認証を!」
ついに自分の出番が来た!とばかり、俄然張り切るティノ。
だが、表情を明るくしたティノとは裏腹に、ベールヴァルドの表情は暗く険しくなって…。
ついに、この時が来たか…と、胸の内で苦い呟きを漏らした。
そう、ティノにマテリアライズの認証をし、彼を戦闘に…危険に赴かせなければならない時が……。
ティノとの契約自体は、本気で嬉しかった。
子供の頃からの約束であったし、何よりずっと一緒にいたいと願っていたのだから。
ティノを他の誰にも渡すつもりはなかった。
だが、オトメは闘うもの…。
分かってはいても、自分の命令で、ティノをみすみす危険にさらさなければならないのは、やはり気が進まなくて…。
今まで…学園在籍中にも、ローブを纏っての戦闘経験があることは知っている。
ティノが強く、賢く、優秀なオトメであることも…。
それでも……。
ティノを闘わせるくらいなら、いっそ自分が……なんて思ってしまうから…。
わあわあと、賑やかな声や音が移動してくる。
どうやら、スレイブがこちらに移動してきているようだった。
「スーさん!こっちに来ますよ!」
迷っているベールヴァルドをけしかけるように、ティノが声を上げる。
「陛下!避難を!」
兵士も焦りの声を上げて…二人の視線が、自分に集まるのを感じながら…。
仕方ねぇなぃ……。
「……ケガ…しねえでくなんしょ 」
そう言えば、ニコッと笑うティノ。
「はい、気を付けます!スーさんに痛い思いはさせませんよ!」
ベールヴァルドは「そうでねぐて…」と顔を顰めた。
「さ、早く!」
「ん」
スイと伸ばされた指が、顎を掬うように軽く上げて、顔が近付く。
「ティノ・ヴァイナマイネン、清恋の天藍石を持つ我がオトメよ。我が名に於いて、汝の力を解放する」
耳元で認証の言葉が囁かれ、続けてGEM越しに感じる、チュッと軽い口付け…。
それにドキリと鼓動が跳ねて…、体内のナノマシンが一斉にざわめき出す。
それはまるで、もう一人の自分が目覚めるような、そんな感覚…。
「マテリアライズ!」
ティノが高らかにそう宣言すれば、キラリと輝いた清恋の天藍石に認証コードが走り、ナノマシンが一気に高次物質化した。
マイスター服が輝き、ローブと呼ばれる戦闘服に姿を変えて、ティノの身体を覆う。
久しぶりのローブ着用…。
クルリと回って、ビシリとポーズを決めて。
「よし!行って来ますね、スーさん!」
清恋のローブを身に纏ったティノは、ベールヴァルドを振り返り、ニコッと微笑んだ。
「ん」
フワと浮かんで、そのまま空へと舞い上がるティノ。
「オトメだ!」「王のオトメが闘うぞ!」と、ティノの姿を目にした者が口々に叫ぶのが聞こえてくる。
ガルデローベのあるこの国ですら、マイスターオトメが闘う姿を目撃するのは稀なのだ。
そう、世界大戦の後はずっと平和な時代が続いたから…。
基本的には一般市民は皆、平和ボケしていて…。
庭の向こうから、わあと歓声が響いてくるのに、ベールヴァルドは顔を顰めた。
オトメの闘う姿は、その優美さ、華麗さから『舞闘』と呼ばれる。
ティノの舞闘を見たいとも思うが……、もし、万が一にも苦戦するようなことがあれば、それこそ心臓発作でも起こしかねない。
ずっと…、闘うごとねく、ただ王の側で花さ添えるだけのオトメも、沢山居だのになぁ…。
ティノにも、そうさせたかったと、苦く思いながら。
それでも、スレイブを倒して晴れ晴れとした笑顔で戻ってくるティノを見れば、これでいいのかとも思って……。
「スーさぁん!やっつけましたよ!」
そう言って大きく手を振るティノに、手を振り返しながら、ベールヴァルドは複雑な思いで、こっそりと溜め息を吐くのだった。
+ + + + +
とゆことで。
実はこれ、叙任式と、マテリアライズする際の認証が書きたかっただけの話だったりします(ヲイ)
最近、ひょんな事から『舞-乙HiME(と書いて、マイオトメと読む。ちなみに、私はまだアニメしか見た事ないです)』を見まして。
あら可愛らしい…なんて思ってたんですが、
13話 『茜色の空に…』を見たら、叙任式が結婚式のようだ!!!!ってのにときめき、
スーさんとフィンでこーゆーのいいかもーvvとか、ユメ見ちゃったのでした☆
だって、命を共にするんだぜ!何それ究極ラブくない?!
そして、スーさんに「我がオトメ」って言わせたかった!!!とゆー(笑)
フィンはホントにオトメって言葉が違和感ないくらい可愛いですがvvv
我がオトメだよ!我が!!!!スーさん格好いいvvvvvv(ヲイ)
つか、身内に 「スーさんだと『オドメ』って訛るんじゃない?」 って言われましたが、そーゆー決められた文句はちゃんと標準語で言えるもん!多分。。。と、原作(マイオトメの)通りにしました(笑)
いや、ちょっとだけ、
「ティノ・ヴァイナマイネン、清恋の天藍石さ持つ我がオドメよ、我が名に於いで、汝の力さ解放すんべ」
ってのを想像しましたが。。。
(ちなみに、これでもいいかも…vvポッvvとか思ったんですが……わたしだけですか…)
てか、スーさんはフィンに闘わせるくらいなら、自分が出てっちゃうとかありそうだと思うんで、そんな話も書いてあったりします。
後少し手直ししたら、載せられるかと思いますが、その前に学園版の方かな…。
ガルデローベの話は、いろんなキャラが出てくるので、書いていて自分がとっても楽しいです♪
アプしたらまたお付き合い頂けると嬉しいです〜☆(^v^)
※ リストページの上部にも書いてありますが、スーさんの福島弁はサッパリ分かりませんorz
フィーリングで書いてるので、フィーリングで読んでやって下さい。
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