+ ロヴィーノの憂鬱 +

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傾向; 典芬・米英・西ロマ


 
ちくしょーちくしょーちくしょー…!
何なんだよ、あいつ……!!!!

走って走って走って。
学園に辿り着き、通用門をくぐってようやく、ロヴィーノは足を止めた。
ゼイゼイと苦しげに息を付き、額に滲む汗を拭う。

「っくそ……全部、アイツがわりーんだ…」

そう呟けば、すぐ近くの茂みがガサガサ音を立てたから、ロヴィーノは驚きのあまり少し飛び上がった。
何だ?と見ていれば、茂みから顔を出したのはギルベルトで……。
「お?よお、今バイト帰りか?ロヴィーノ」
彼はロヴィーノに気付くと、気軽な様子でそう声をかける。
「……て、てめぇ…何でそんなトコから出てくんだよ…っ!」
「あ、ビビらせちまったか?悪ぃ悪ぃ」
「なっ!だ、誰がっ!俺はビビってなんかねぇぞ!コノヤロー!」
真っ赤に顔を染めてそう言う様は、どこからどう見ても図星でしたと言わんばかりで可愛らしい。
「お前って、フェリちゃんとはまた違った意味で可愛いよな〜♪」
「きっ、気色悪ぃーコト言うなっっ!俺は可愛くなんかねぇぞ!コノヤロー!…ったく、どいつもこいつも……」
「ん?どいつもこいつも?何だよ、さては変質者にでも追っかけられたか〜?」
ケセセと笑われ、ロヴィーノはムッと顔を顰めた。
「うるせぇ!とっととどっか行きやがれ!」
「流石、フェリちゃんのお兄様ってとこか♪まあまあ、変質者なんか俺様が追っ払ってやってもいいぜ?何せ俺様は最強だからなーーっっ!」
「言ってろ、ばーーか!」

変質者だったら、俺がぶっ飛ばしてるっつーの!

ブツブツと心の中で呟きながら。
ロヴィーノはギルベルトに背を向けると、足早に寮への道を歩き出す。
「……チクショウ…」
何だか胸がモヤモヤして、苦しくて堪らない。
そのモヤモヤは、ここ最近ずっとロヴィーノの胸に蟠っていて…、それも日増しに大きく重くなっているようで……。

『なあ、ロヴィーノ、俺のオトメにならん?』

アントーニョの言葉を思い出せば、胸にズキリと鋭い痛みが走った。
何をバカなことをと思う。
だってそうだろう、王のオトメはマイスターオトメが務めるものだ。
オトメの命は主の命。
王と命を共にする者だから、オトメの中でも特別に優秀なオトメがその役を担うのは当然で…、進学すら危ないラインにいる自分など、問題外である筈だ。
だというのに…。

『オトメやのーてもええねんで?うん、ロヴィーノなら、俺は何でもええ!』

スペインの王であるアントーニョは、あっけらかんとそう言ってのけた。
オトメでなくともいいから、ただ、ロヴィーノに側にいて欲しいと……。
「アイツ…ホントバカ過ぎ……」

ギュッと抱き締められた時の温もり…。
包み込まれた時に漂った、スパイシーで甘い香り。
あの時撥ねた鼓動は、一体どちらの物だったのか…。

思い出せば、どうしても鼓動が早くなり、胸がざわついて……。
「……オレも…ホントバカだよな……」
溜息混じりに呟くと、ロヴィーノは寮へ続く階段を駆け上がった。



※続いてます

+   +   +   +   +

あれ…終わらなかった……。。。。
ロヴィーノの憂鬱、もうちょっと続きます。

(…ので、踏破試験は別に始めよう…(え))

踏破試験は典芬と親分子分なのです!!!!

親分大好きですvvv
お兄さんも大好きですvvv
でも、スーさんがやっぱり一番大好きですvvvv(そりゃな)

ってなわけで、スーさんが書きたいんだぜーーー!!!!!
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