+ フンドシ一枚あればいい。 +
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傾向; 典芬
「…スーさん?」
「すまね、俺ぁ…」
そう呟いて、ちゅうっと優しく落とされる口づけ…。
「スーさん…!」
分かってくれたんですね、とばかり、フィンランドが顔を輝かせれば…。
「…我慢、出来ね」
スウェーデンは僅かに顔を赤らめ、そう言った。
「え?」
「コイツ、穿かせる間はっで思っどったけんぢょ…」
「…す、スーさん…?」
ハッと気付けば、スウェーデンが唯一身につけている漢布の、
『漢』の部分が随分と盛り上がって見えるようで…。
「…っ…!」
思わずゴクリと喉が鳴る。
た…、確かに……似合ってる…の、かも……。
スーさんの身体……、格好いいし……。
自身の上を覆う、スウェーデンの身体を眺め、フィンランドは改めてそう思った。
そうだよ…、最初から、僕にだけ見せてくれるんだったら、僕だって……。
そうだ、そうだったのだと、フィンランドは思った。
2人きりの時ならば、自分だけが見るのならば、フンドシだろうが、裸だろうが、
構いはしないのだ。
他の人間が、しかも、スウェーデンに特別な感情を寄せている人間が、
その肌を見たと言う事が、どうにも引っかかっているのである。
僕ってホント、独占欲が強いっていうか……。
「フィン、えぇが?」
フィンランドが悶々と考えていれば、スウェーデンがそう尋ねてきた。
我慢出来ないと言いながら、それでも許可を得ようとするスウェーデンが可笑しい。
フィンランドはコクリと小さく頷いて、スウェーデンの首に腕を回した。
ぎゅうっと抱きしめれば、スウェーデンの温もりが直に伝わって……
何だかホワリと胸が熱くなる。
僕のものだもん。
スーさんがたとえ、お外で裸になったって。
それをみんなが見たって、こーゆー事出来るのは、僕だけだもん。
だから、よしとしよう。
とりあえず、そんな風に納得する。
そして、
「…スーさん、似合ってますよ…それ…」
耳元にそう囁けば、
「…そ?」
返った声には、僅かに嬉しさが滲んでいた。
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