+ アイルーキッチンで朝食を★ Episode;00−1 +

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傾向; 典芬



「なじょした?」
「もし、この先…アイルーが増えたら…、寝る時は当番制になるんですかね?」
「ん?」
当番制?と、フィンランドの言葉に首を傾げるスウェーデン。
「だって、僕ばっかりスーさんと一緒ってワケに行かないじゃないですか」
「んー…、なして?」
「なしてって…、だって不公平になっちゃいますよ!」
不公平はダメです!と言えば、スウェーデンはパチクリと瞬きをして…それから何故か、ぷすりと笑った。
「そ?不公平になんのが?」
「そーですよ!スーさんと一緒だと、ぬくぬくで気持ちいいですもん!絶対、他の子だって一緒に寝たいに決まってます!」
「んー…そっが。ほんだら、他のアイルー雇うのはやめんべ」
「え?」
スウェーデンにそう言われ、フィンランドはパチクリと瞬きをして…。
「別にいんねぇべし…なぃ?」
「え?え…っと、でも…あの、だって、ハンターさんはキッチンアイルーとオトモアイルーを雇うものですよ?」
何故かオロオロしながら言ってみる。
だが、スウェーデンは「そ?」なんて、軽い調子で言うから…。

あ、あれ?
スーさんはオトモアイルーとか雇うつもりないのかな…?

あれれれ?と不思議に思っていれば、
「フィンは他のアイルーが居た方がえぇのが?」
そんな風に尋ねられて、ドキリと鼓動が跳ねた。
何故だかよく分からないが、自分でもよく分からない胸の内を、見透かされたような気がしたのだ。

えっと…?
あれ…、何だろう…何か…、何で僕、ドキドキしてるんだろ??
そんな事聞かれるなんて、思ってもみなかった…から?

そう、他のアイルーを雇うのが当たり前だと思っていた。
当然、スウェーデンもそう思っているだろうと。
彼が自分に意見を求める等、思ってみなかったし、きっと他のハンターならそんな事はしないに違いない。

「え、ええと…だ、だって…、オトモアイルーはクエストをサポートするスキルをいろいろ修得するので、居ればクエストが楽になるらしいですよ?」

もしかすると、スウェーデンはオトモアイルーについてよく知らないのかもしれない。
そう思えば、説明しなければならない気がして、フィンランドはアワアワとそう言った。

そうだ、スーさんハンターの事あんまりよく分かってないみたいだし…、オトモアイルーが居た方がいいって知らないのかも…。
そうだよ、それだけなのかも……。
なのに、どうしてだろう……まだドキドキしてる……。

スウェーデンの腕の中にいるから、このドキドキは彼に伝わってしまっているだろう。
それが何だか妙に気恥ずかしい。

「く、クエスト中は、僕は何もお役に立てないですし…、せめてオトモアイルーは居た方がいいんじゃないですかね?」

何だか熱く感じる顔を俯かせたまま、早口でそう言えば、スウェーデンは「そっが…」と何やら考え込む風で頷いた。


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